2007-06-28 王国 「アンドロメダ・ハイツ」につづいて、ひたる。 王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法よしもとばなな (2004/01/30)新潮社 この商品の詳細を見る 王国〈その3〉ひみつの花園よしもと ばなな (2005/11)新潮社 この商品の詳細を見る とくに「ひみつの花園」では、雫石と恋人との別れが軸となっていたため、過ぎてしまった春のことをつい思い出してしまい、心がキリリとなった。 人間関係が終わる時には、なにかしら予兆があるもの。その人といる自分をイメージできなくなるとか、一緒にいる時に妙に不安を覚えるとか、漠然とした感じで。寄り添ってくれる人のいる安心感はかけがえのないものだから、恋愛の文脈だとそういう予兆にあえて気づかず、あわよくばやり過ごそうとしてしまうのだけれど。 予兆を感じたら己の変わり目と観念し、目をそらさず、かといって抗わずに、その人との結びつきを全うしたいもの。なかなかに切ないことではあるけれど。 人が出会うときにはどうして出会ったかっていう意味があって、出会ったときに秘められていた約束っていうのが終わってしまうと、もうどうやってもいられないんだよ。