自立日記 (文春文庫PLUS 50-23) (2007/05) 辛酸 なめ子 商品詳細を見る |
強打できない
『消費セラピー』で「分かり合えない人かも…」と思ったのに、それに懲りずに辛酸さんの『自立日記』も手にとってみました。そして読後の結論は、「膝を強打できない…。やっぱり、この人は違うところにいるわ」というもの。
締めの一言(「自分は悪口を言わないで、さりげなく話し相手から悪口を引き出すことのほうが、よっぽど楽しいです」とか)では特に意地の悪さが充満しており、その毒気に酔いはするのだけれども、どこか相いれない。
ぼんやりと思いをめぐらせていくうちに、この相いれなさは"モテ"に対する思いの違いからきているのではないかという結論に至りました。ここに収められているのは7~8年前の日記ですから、確かに、"モテ"や"愛され"という言葉は現在ほど氾濫していませんでした。でも、「それなりの年になれば、だれもが恋愛をしているもの」*という不文律はすでにあったように思うのです(少なくとも私は、その当時には非モテとして辛酸をなめ、恨みつらみをつのらせておりました)。となると、彼女がつづる「辛酸」に恋愛やセックスにかかわることがないということにどうにも納得がいかないわけです。処女率への執着を折にふれて見せていることから察するに、性的なものに無関心とは言えないのに…、と。
というわけで、辛酸なめ子さんとの距離が"モテ"に起因するものなのかどうかは、月末のトークセッションで確認をしてくることにします。
*ここの年は人によりけりだろうけれど。