博多遠征(後編)

博多遠征の後編。今回は午前中の講演から出席してみました。 講演は「壊れゆく世界と、文学の役割」というタイトルで、講師は作家の宮内勝典さん。講演は… 現在、文学が低迷し、言葉が持つ力が弱まっている。言葉の力が弱まり意味が失われるということは、物事や経験を時間の縦軸で捉え意味を構成することができなくなるということである。それゆえ、文学の低迷は個人の内面の崩壊につながっている。そのような状況下での文学の役割は何かと問われれば、社会的な役割はないと答える。しかし、意識の営みがあるかぎり、文学は終わることはできない。意識の営みが言葉を通して表されるものであり、あらゆる芸術のなかで、意識の営みに最も似ているのが文学であるからだ。文学は、漢方薬のようにじわじわと効果をもたらすものなのだ。 ということであったかと。 午後からは、シンポジア(惑星思考のアメリカ文学)を拝聴。このシンポは、SpivakのDeath of a Discipline、DimockのThrough Other Continent(著)やShades of the Planet(編)を前提としたもの。シンポそのものが濃かったけれども、「宮城県の鮎川に行け」という締めの一言をはじめ坂手洋二さんの鯨についての熱い思いを聞くことができたことがかなり収穫だったかも。