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研究会の備忘録(1)

行きっぱなしになっていた研究会や講演会について、メモメモ。

  • 酒井邦秀「多読のきのう、きょう、あした」@「多聴・多読授業研究会」2009年3月7日於豊田高専

 
・多読授業をはじめるための条件は、(1)いちばんやさしいレベルの本を100万語くらい読んでいること、(2)生徒・学生一人一人の顔を見られること
・多読授業を始める学校の条件は、(1)トップの強力な支持があること、(2)推進派が二人以上いること。
・リソースは多いにこしたことはないが、300~500冊程度の蔵書で成果を出している学校もある。

  • 高瀬敦子「多読授業成功への鍵」@「多聴・多読授業研究会」2009年3月7日於豊田高専

多読を成功させる鍵は、(1)初期に易しい本をたっぷり読ませること、(2)授業内多読で読書時間を確保し、読む習慣をつけること。

・設定した目標:前期または後期で10万語読み、シャドーイングをおこなう
・「指導をしない」指導:とにかくほめる、注意をしない、正確さを気にしない・させない
・教師の役割は「やりやすい環境を作ること」と「やりやすい教材を選ぶこと」

  • 竹村雅史「何故、英語多読授業なのか?―学習者はどう変わったか―」@「多聴・多読授業研究会」2009年3月7日於豊田高専

・函館高専での多読授業:100分授業のうちの30分間は図書館で好きな本を読む(年4回提出させる読書シートで20%分の評価を与える)
・Graded Readers676冊からスタート(2009年時点では1800冊に)

  • 竹山友子「多読授業初年度の成果と課題および2年目の試み」@「多聴・多読授業研究会」2009年3月7日於豊田高専

・呉高専での多読授業:週4時間のうち15~25分程度で実施
・645冊(約30万円)からスタート
・初年度の目標:検定教科書の語彙数約7500語を超える語数を読む
・英語が苦手な学生にとって、YL0.1とYL0.9には天と地ほどのさがあることから、YL1.0未満を二分割

  • 伊藤和晃「英語多読における多読語数と英語運用能力向上効果との関係」@「多聴・多読授業研究会」2009年3月7日於豊田高専

1年間の授業で読める語数の目安:80w/m×45分×30回=11万程度
・30万語(やさしい英文図書の読書速度が上昇し、学生の多くが読解力の向上を実感すると応えた読書量)で、平均して400程度のTOEICスコアを期待できる。さらに100万語になると、450程度が期待できる。
・100万語の読書量が、TOEICスコア40~50程度の向上に寄与→50万語ずつ増やせば、段階的なスコア向上につながる

  • 西澤一「多読・多聴授業による英語教育改善の全学展開」@「豊田高専教育GPプロジェクト中間報告会」2009年8月21日於豊田高専

・豊田高専E科での試行錯誤:
 音読筆写→効果は出るもののつらくて長続きしない
 多読→楽しいので長続きする
    69万語でTOEIC465、300万語でTOEIC605(交換留学経験者の平均と同程度)
・4年目の実績(TOEICスコア):31万語で435、66万語で498、181万語で604
・目標は3年間で45万語
読書量、外部試験得点、教材情報について、ニュースレターでフィードバック
・多読の実践で必要なことは、(1)豊富な教材(やさしいものを多ジャンルで)、(2)他教員の協力(多読の悪口は言わないようにお願いする)、(3)地域の人の投入、(4)コア読書時間の確保
・読書量による学習者の変化

10万語:(翻訳しない)多読の読み方に慣れる(ACEでクラス平均が変化)
30万語:やさしい英文なら読めると自覚(ACEで個人得点変化、TOEICでもクラス平均が変化)
100万語:自律的に図書選択できる(TOEICで個人得点変化を保証できる)
300万語:英語圏への留学経験(1年間)に匹敵する可能性あり

・豊田高専の蔵書:600冊(開始時)→約3000冊(2004年度;YL0.0~3.0を中心に)→15,000冊(2009年7月)
・教材の整備にあたっては、戦略的な予算支出、外部資金の調達等が必要だが、CALL等にくらべれば初期投資額は少なく始めやすい
・定期試験:シラバス設定水準の英文を毎分100語程度の読書速度で読み切れる制限時間内に読ませ、英文回収後に全10問の質問(あらすじを問うものから細かい描写内容を問うものまで)に日本語で答えさせる
・多読授業をするには、5年で100万語を目標に、コア読書時間を設けて継続できる仕組みをつくることが大切

  • 深田桃代・長岡美晴「豊田高専における多読・多聴授業の全学展開―1年目の実践報告」@「豊田高専教育GPプロジェクト中間報告会」2009年8月21日於豊田高専

・授業時間とクラスサイズ:45分×30回で1クラス41~44名(1年生)
・使用教材(YL0.3~1.2: ORT1~8, LLL1~5, Mouse Tales, FRL, ICR1~2, Curious George, MMR1, CER0, IAR)
・読書記録の評価(全体の20%に換算):2万語で60点、5万語で80点、10万語で100点
・授業では10~15分、長くても30分で読み切れる長さのものを選ぶように指示