へっぽこ講師のあれやこれや(別館)

頻繁にやる気が行方不明になる大学教員の雑記です。アカデミックな要素はかけらもありません。

就職時に受けたアドバイス

大学教員2年目も自転車操業の日々でしたが、本年度の授業については試験やレポートの採点を残すのみ…というところまできました(ゼロから講義を組み立てるということをしなくてもよくなるので、4月からは自転車操業の度合いが少なくなると思いたい)。年度末になると行われるのが、定年を迎える先生方の最終講義。私の所属先でも、直属のボスの最終講義がありました。

 

内容は、大学教員としての日々と研究者としての日々とを振りかえるというもの。その中でも印象に残ったのは、就職が決まった際に指導教官の先生からいただいたアドバイスについてのエピソードでした。そのアドバイスとは、

 

  1. 年に3本は論文を書く
  2. 少なくとも3年は移動をしない
  3. 仕事は断らない

 

の3つ。これらのアドバイスは30年以上前のもので、時代の変化に伴って、1と2は従うのが難しくなっていると言わざるをえません。1についてはボス自身が「独法化の前の時代には、夏・冬・春の長期休みを使えば可能だったんですよ…」と言っていて、授業期間外にあんなことやこんなことがどんどん入ってくる現在の状況では、超人的な気力体力がないと難しいでしょう(とはいえ、その心意気は忘れずに研究をしたいところ)。任期付きの案件が増えており、採用条件によっては2はかけられないものになっています。そんななか、3はアドバイスとしてまだ有効なのかもしれません。何を隠そう(隠さんでもいいことだけど)、専任ポストを得て東京を離れる際、3のアドバイスを師匠からかけられました(うちの師匠の場合、「仕事」というのは学会などの研究がらみのものを指していたような気もするけれど…)。私が専任になれたのは10年ほど前で、その頃と比べて高等教育機関をめぐる状況も学会をめぐる状況も変わってきているけれども、どんな状況でも仕事から逃げる人はいるはずなので、案外とアドバイス3は有効であり続けるかもしれません。

 

いい年になっているので自分の健康状態等々と天秤にかけながら仕事を選ぶことも覚えるべきではないかと思わないでもないけれど、変に引っかかるものがないかぎり、*1声をかけてもらえた時には引き受けていきたいものだと思います。安請け合い、万歳!

*1:直観的に引っかかりがある場合には断った方がいいということを身をもって学んではいる。