へっぽこ講師のあれやこれや(別館)

頻繁にやる気が行方不明になる大学教員の雑記です。アカデミックな要素はかけらもありません。

『英語上達完全マップ』

読みっぱなしになっていた『英語上達完全マップ』のメモ。


読後の感想は「これだけのことをやれたら、上達しないほうがおかしい」というものでした。音読*1、短文暗唱*2、文法の問題演習、精読、多読、語彙、リスニングと、トレーニングの内容はきわめて真っ当なものだし、英語力の養成についての筆者の考え方にも共感します。問題は、このメニューをどうやって続けさせるかなのでしょうね。


ちなみに、英語力の養成に関する筆者の考え方はこちら。

 英語力をつけるための基本法則はきわめて単純なものです。「意味・文構造を理解できる英文を意味処理しながらひとつでも多く自分の中に取り入れ、英語の文法・構文に則った文をひとつでも多く作る」ということを行えばいいのです。


そして、この基本法則を実践するうえでのポイントは

1)文法・構文は基本的なものマスターしてから、より高度で複雑なものに取りかかる。
2)勘や推測に頼らない、文構造をしっかりと把握する読み方を身につける。
3)学んだことを「わかる」だけでなく「できる」ようにする。
4)「わかっていること」を「できる」ようにするために声を出す。
5)一気の暗記をせず、軽い繰り返しによる刷り込みで知識を技術に変える。


それから、多読にからむ見解も引用。

 読めないことに嫌気がさして英語を読むことを敬遠したり、あげく「英語を読むなんて意味ないよ。英語ができるっていうのは話せるということだよ」と英会話一辺倒になるのは賢明ではないでしょう。少なくとも、ブロークン英語で満足するのではなく、きちんと英語を身につけたいならば。なぜなら、高い英語力の背景には必ず大量の読みがあるからです。例えば、英語のプロ注のプロである同時通訳者は、その完璧なリスニング能力と見事なスピーキング能力ばかりが強調されますが、その裏で膨大な量の英語を日常的に読んでいるのです。プロの同時通訳の中で、英字新聞が読みこなせない人や、生涯に英語の本を1冊も読んだことのない人など1人もいないでしょう。
 同時通訳のレベルまで至らなくても、ある程度高度なレベルの英語力を身につけるためには英語を大量に読まないわけにはいきません。

リーディングに関しておまけメモ。

「タイム」「ニューズウィーク」を100冊もカバー・トゥ・カバーで読めば、日本で実施されているあらゆる英語関連試験の読解問題は、非常に簡単に感じるでしょう。

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法

*1:中学校の教科書あたりからはじめて、構文などの理解を確実にしたうえで、合計で100回前後は反復するというもの。テキストを見ながらのリピーティング×5回、音読×15回、テキストを見ないリピーティング×5回、シャドーイング×5回の30回という第1サイクルの回数と合計100回前後は読むということを守ればアレンジはOK。

*2:中学英語の平易な文を文型別に作れるようにする→中学英語の文型を引き出し、組み合わせられるようにする→さまざまな文型・構文・表現を駆使できるようにするという名サイクルで、短文の暗唱をして瞬間的に英作文を行えるようにするというもの。