「一次資料調査の面白みと苦心」@日本アメリカ文学会第50回全国大会ワークショップ(2011年10月9日)

ワークショップからはずいぶんと時間が経ってしまったけれど、のちのちのためにメモ。このワークショップでわかったのは、

1)ネットを使えば家でも資料収集はかなりできる
2)海外に調査に出る際には、事前の根回し・まめさ・しつこさが重要

ということ。


海外での調査に関してはこまやかな連絡とねばり強い交渉が相当に重要のようで、宇沢先生は「出自を明らかにし、何を探しているのかをメールで相談した。そうしたことで反応が全然ちがった」と、石原先生は「やりたいことを事前に伝えておくと効率的」であるとか、「ライブラリアンの能力に差があるので、本当に必要なものならば、『ない』と言われても何度も頼んでみるとよい」と、越智先生は「事前連絡は大切!!!。資料請求は交渉次第で、なかなか出てこない時は『明日、日本に帰らなければいけないんです!』という決め台詞がきいた」と、おっしゃってました。

海外に知り合いがいない場合は、欲しい資料があるアーカイヴのアーカイヴィストを探しだしてメールを出してコンタクトを取って出かける、"Contact us"から「担当者にまわしてください」というメールを出してコンタクトを取って出かける、independent researcherを雇って(1日あたり2〜3万円くらい)資料を探してもらうという方法があるとのこと。


また、一次資料調査未経験の者にとって、欲しい資料に優先順位をつけておくこと(体力には限界があるから)、効率的な調査への事前準備をすること、図書館・アーカイヴの特徴を知っておくことという、石原先生がこころがけているポイントは参考になります。



<ワークショップで言及されていたサイト>

  • National Union Catalog of Manuscript Collections (NUCMC)

(作家の書簡や手稿の検索エンジンで、Searching Manuscripts→Searching on OCLC→WorldCat→advance searchで探していく)
http://www.loc.gov/coll/nucmc/index.html

それから、現代の文学テクストの開拓という点で、藤井先生のお話も興味深かった。現代の小説テクストのアーカイヴ的な役割を果たすものとして、Amazon.com ("Customers Who Bought This Item Also Bought"がとくに)、文芸誌(McSweeney's, Granta, Conjunctions)、アンソロジー(PEN/O.Henry Prize, Best American Short Stories, Best American Nonrequired Reading)、ウェブサイト(City Lights Bookstore, Words Without Borders, Writers Read (blog))、論文および学会発表の情報(http://call-for-papers.sas.upenn.edu/)があげられました。



資料調査にはまめさ・しつこさだけでなくてお金は必要になるし、下手をすると迷走したまま出口にたどりつけなくなる恐れもありそう(行けばいいってもんじゃない)です。そうは言っても挑戦してみたい。目的地を定めるため、何をおいてもまずは地道に勉強あるのみなんですがね。