研究会
この週末は研究会が続いています。
今日は日本学術会議の講演会。「生物学とジェンダー学の対話」と題した講演会でしたが、対話に向かうにはまだまだすり合わせるものがあるようです。「私どもとの対話は望んでいないようで…」という上野先生の発言に、そのことが端的に表れていた気がします。”性差”という単語ひとつとっても、認識に大きな違いがあるという感じ。バトラーのセックスについての考え方に関しても、紛糾していたし。理系の人間も文系の人間も、ステージもフロアも、それぞれに苛立っていた感じ。ディシプリンの壁は越えられないのだろうか…。
ところで、上野先生と言えば”ケンカ”。
昨日のゼミでは、この図式を広く定着させた遥洋子さんの本ことをふと思い出しました。あの本の初めの方で、遅刻をして発表に穴を開けた学生に
「あなたのせいで、これだけの人間が貴重な時間を無駄に過ごしました。どうしますか?」
と問いつめ、”この人を怒らすまい”と遥さんが心に誓うというくだりがあります。昨日のゼミは、まさにそんな発言が必要な感じでした。生活の事情も、腹の括り具合も、人それぞれ。でも、いろいろあっても発表を引き受けたらやりきるべきだし、手なぐさみであったとしても同じ失敗を繰り返さぬよう細心の注意を払って準備をした方がいい。師匠にも、人を見たりしないで、斬捨て御免的指導をしてほしかったなぁ。